【完】復讐の元姫



穏やかで、優しくて。



でもどこかその声には威圧感があって。



瞬時に、幹部が姫を囲む。



それは向こうも、同様らしい。



“徹”も、姫を護る幹部のひとりだったってわけか。



「へぇ、愛されてんだねお姫様」



「っ、」



「だけどそれも、すぐ終わるよ」



──そこで見てなよ。




そう言った、総長らしき男が動く。



その、一瞬の間に。



「予定通り動け」



すかさず、麗の指示が入ったかと思えば。



「……綺麗な人間って、ムカつくよね」



男がこっちに足を動かしたとき。



もう俺等幹部の元に、姫と総長はいない。



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