【完】復讐の元姫
大丈夫だ。
そう思いつつ、凌と並ぶ。
総長を相手するのは、俺と凌だけど。
もちろん敵は近くにもいるから、油断は出来ない。
「沙和」
「ん?」
「俺等、前に約束しただろ」
「……そうだね」
もし、この勝負。
──負け、たら。
「負けるわけにはいかない、か」
「俺もおんなじこと思ってるっつーの!」
幹部を、やめようかと。
凌と、1度だけ勝負の数日前に話した。
たぶん、他の幹部も同じこと思ってるんじゃないかな。
無責任だけど、これが俺らなりの償いでもあるからね。