【完】復讐の元姫
ただひたすら、お互いを傷つけ合うだけのケンカなんて。
傍(はた)から見れば、バカなことなのかもしれないけど。
「キミ、見た目より強いね」
「……文化系だけどね」
「その割には、副総長なんだってね」
「まぁ、情報も管理してますから」
俺等にとったら、プライドかけて戦ってるわけだから。
簡単には、諦められない。
──果たして、どれぐらい経ったのか。
周りの人も、段々まばらになってきた。
倒れてるヤツが、敵なのか味方なのか。
血で染まった顔なんて、見ても分からない。
「っ、」
ふいに。
体力が限界だったのもあって、ガクンと凌が膝をついた。
倒れてるわけじゃ、ないけど。