【完】復讐の元姫
「限界、だね」
さすがに、俺も。
体力が限界なのもあって、男に手が届かない。
そのまま、男の拳が。
「終わり、だよ」
凌に、掠った瞬間。
「ゲホッ、」
なぜ、か。
「お、前……なんで?」
目の前にいた男が吹っ飛んで、思いっきりせき込んだ。
結構やばそうなせき込み方だな、と。
顔を上げれば、凌が何かを見上げてる。
その視線を、追えば。
「……なんで?」
「本来なら、俺もここにいたからな」
……なんで、麗がここに?