【完】復讐の元姫



* * *



「やっと来た」



時間ぎりぎりね、と言われて。



内心ほっとしながら、麗の姿を探す。



さっきまで私を護ってくれていた彼等の数は、もはや半分もいなくて。



「麗、は?」



聞けば、奈々が少し横にずれる。




徹の前にいた、麗は。



「……なんで来たんだ」



「だ、って」



「お前がいたら、不安になるだろ」



傷もそんなにないようで。



特別、痛めつけられてるって感じではなかった。



「でも、心配だったんだから……っ」



安心して、涙がこぼれる。



次の、瞬間。



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