【完】復讐の元姫
大丈夫なわけがない。
だって、今の。
「やっぱこれ、すごいね~。
奈々さ、よくこんなの手に入れたよね」
「別に、すぐ手に入っただけだし」
銃、でしょ?
徹が麗に向けたのは、早くて隠れててあまり見えなかったけど。
「銃弾避ける練習でもしときゃよかったな」
「麗、大丈夫じゃないって」
「分かっててこっち来てんだから大丈夫に決まってんだろ」
沙和もさすがに予想していなかった展開らしく、声をかけるけど。
いつもと変わらないその声に、涙が溢れる。
「麗、っ」
「……別に死んでねーんだから、泣くなよ」
「でも……っ」
麗にもし、まともに当たっていたら。
「汐乃、泣くなって」