【完】復讐の元姫
「いたっ、」
「イテーよ沙和!」
「ふたりが悪いんでしょ?」
3人の言い合いを聞き流しつつ、麗の方に視線を戻す。
麗はまだ、私の肩から顔を上げる気はないようで。
「麗、」
「……ん」
あ、この声。
「……眠い?」
絶対眠いときの声だ。
「……ん、ねむい」
ほんとに眠そうだな、と麗の頭を撫でて。
でも、まぁ。
「麗、怪我の方は大丈夫なのか~?」
「……大丈夫だ」
……私以外の人が尋ねれば、こうやっていつも通り答えるんだけど。