【完】復讐の元姫
「え、えと」
「……ああ。俺等の代の姫だな」
戸惑ったような感じのあの子は、今の幹部かなんかだと思う。
その子が声をかければ、再び倉庫の中は騒がしくなった。
「……みんな、卒業出来なかったんだってね」
「ちょ、なんでシオちゃん知ってんの」
「奈々から聞いた」
でも、留年しながらもちゃんと卒業したらしいし。
今でも学科は違いながらも、みんな同じ大学に通ってるらしい。
「今年卒業するんだっけ、大学」
「……ああ」
「頑張ってね、あと3カ月」
「……無理かもな」
「え、なんで」
なんで無理なの、と聞き返せば。
沙和が、くすくすと笑った。