【完】復讐の元姫
これが。
2年前だったら、きっと楽しかったんだろうな。
そう思ったら、簡単に頷いていた。
あんなの、一瞬の夢に過ぎないのに。
「あ、でも席ひとつ足りないよね」
「別に大丈夫だろ~。
ほらほらシオちゃんおいでー」
そう言われて。
座らされたのは。
「……時雨」
「ん~?」
「いくらなんでも、この体勢はどうかと思う」
時雨の、膝の上。
絶対おかしいと思うんだけど。
「別にいいじゃねーの」
そう言ってスマホを弄りだした時雨。
もはや私の話を聞く気なんて欠片もない。