【完】復讐の元姫
そんな私を見兼ねたのか、沙和が立ちあがって。
「余ってるやつだから、ソファじゃないけど。
これでよかったら座ってくれて良いよ」
どこからか出してきたのは、折りたためるパイプいす。
その気遣いはものすごく助かる。
「シオちゃん、こっちおいで」
奈々にそう言われて、仕方なく彼女の隣にイスを持っていく。
それに腰掛ければ、時雨は「残念」って笑ったけど。
どこが残念なんだか。
「シオちゃん、時雨とデートしてたんでしょ?」
「……うん」
「どこ行ってたのー?」
にこにこと。
猫かぶりな彼女に尋ねられる。
無視したくとも、彼女が姫である今、私に味方は時雨だけだ。
「カフェでお茶して、ショッピングモール回ってただけ」