【完】復讐の元姫
「まず勘違いしてるけど、俺は余裕なわけじゃねぇからな」
「え、でも、」
「元から無口なのはお前も知ってんだろ」
「……うん」
「だからあんまり感情を表に出さねぇだけだ。
余裕があるわけじゃねぇから、今日の朝みたいにすぐ煽られんだよ」
で、次が。
「お前、それで重いっつってたら、俺どうなるんだよ」
「え、」
「俺の方が、重いから気にすんな」
どう考えても、お前より俺の方が束縛主義だろうが。
「たまにキスとかしなくなるのは、歯止めが利かなくなるからだ。
俺がしなくなったあと、大概お前出掛ける用事とか入ってただろ」
「え……?あ、言われてみればそうかも。
用事が入ってるときとか、」
「それでお前に迷惑かけるわけにはいかねぇから、たまに突然やめるだけだ。
一時期、他の奴等に“たまには汐乃離れしろ”って言われたからやってたときもあるけどな」
要するに、常に触れてたいんだよ。