【完】復讐の元姫
渋々キッチンに入っていく麗の後ろ姿を見て、ため息をつく。
こんな調子じゃ、もし次に女の子でも生まれたらとんでもない。
彼の溺愛レベルがMAXだ。
「汐乃」
「うん?」
おかげで、私への愛情が薄れてますよ麗さん。
……まぁ、そんなものかもしれないけど。
「雅の面倒見るの大変だったら、俺が見てるから買い物行ってきても良いぞ」
ほら、話し聞いてない。
「買い物の量、今日は結構あるから車出してほしいんだけど」
「……わかった」
そんなに雅と一緒にいたいですか、麗さん。
最近じゃ、奈々と出掛けることもあって。
心配ながらも雅を麗に預けてるから、ふたりの時間は十分あるはずなんだけどな。
仕事から帰ってきたら雅、朝起きても雅。
……あれ、やっぱり私のこと忘れてない?