【完】復讐の元姫



「……ねぇ、麗」



「んー?」



「最近、私のこと忘れてない?」



そういえば、まともに話すこともあんまりないような。



「忘れてねーよ」



「いや、でも雅のこと構いすぎでしょ?」



落ちついた雅は、泣いていたどころかキャッキャとはしゃいでいるけれど。




「妬いてんのか?」



「………」



「悪かったって。

汐乃のことも大事だけど、小さい頃ぐらいしか雅は俺に懐かないだろ」



「……そうかしらね」



案外、大きくなっても懐いてたりするかもしれないけど。



「だから今一緒にいるだけだ。

あと10年もしたら、また俺はお前の傍にいるからな」



「そうだったらいいわね」



「ん。汐乃、カレー出来た」



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