【完】復讐の元姫
「麗、」
なんだか、胸が苦しい。
苦しいけど、嫌だとは思わない。
「余計なこと、言われてねぇか?」
「うん、大丈夫。
嬉しいこと、たくさん言ってもらえたの」
その苦しみさえ、愛おしくてたまらない。
ねぇ麗、知ってた?
「ふ。よかったな」
抱きすくめる力が緩んで、彼の腕の中でそっと彼と向き合う。
「大好き」
「……わざとか?」
「わざと、って……別にそういうわけじゃないけど……。
でもね、大好きなの」
ぎゅっと抱きつく。
あのね、麗。
私、麗が思っている以上に麗のこと大好きなの。