【完】復讐の元姫
「え?
……ちょっ、麗!」
足が、床から離れる。
さっきの背伸びなんて比じゃないほどに視界が高くなって、思わずぎゅっと彼に抱き付いた。
私を担いだ彼は、そのまますたすたと足を進める。
進んだ先は寝室、って、なんでそんな展開なの?
「たまには何もしねぇのもいいかって思ったんだけどな」
ベッドの上に、おろされて。
ぎしっと下のベッドが音を立てた。
「わざとだろ?」
「違っ、」
「まぁ、最近構ってやってなかったもんな」
ほんとに違うから……!!
というか。
「数日前に散々、っ……」
言いかけて、すぐさま口を閉じる。
何を口走ってるんだ、私は。