【完】復讐の元姫



「え?

……ちょっ、麗!」



足が、床から離れる。



さっきの背伸びなんて比じゃないほどに視界が高くなって、思わずぎゅっと彼に抱き付いた。



私を担いだ彼は、そのまますたすたと足を進める。



進んだ先は寝室、って、なんでそんな展開なの?



「たまには何もしねぇのもいいかって思ったんだけどな」



ベッドの上に、おろされて。



ぎしっと下のベッドが音を立てた。




「わざとだろ?」



「違っ、」



「まぁ、最近構ってやってなかったもんな」



ほんとに違うから……!!



というか。



「数日前に散々、っ……」



言いかけて、すぐさま口を閉じる。



何を口走ってるんだ、私は。



< 341 / 392 >

この作品をシェア

pagetop