【完】復讐の元姫
「だ、めなの。
ここで許したら、麗が甘えるから」
「でも、シオ全然嫌そうじゃないよ」
「っ!」
沙和のバカっ……!
嫌だとは確かに思ってないけど!!
「もうやだ……」
涙目になれば、ぽんぽんと麗に頭を撫でられた。
思わず衝動的に抱き付いてしまいそうになって、思いとどまる。
「……許さないもん」
「お前、今日泊まるんだろ」
「おばさんとふたりでお茶する約束してるんだもん」
「おかしいだろ」
「麗が悪い」
「言うだけ無駄だぞ」
優しく引き寄せられて、次の瞬間には唇が重なる。
……ああもう、バカらしくなってきた。