【完】復讐の元姫
嫌でも、来ることになるだろうな。
汐乃と家を出て、俺が運転してきた車に乗せて、向かう先は。
「……ここって」
「ん」
「龍錬花の、倉庫……」
つい2ヶ月前、彼女と再会した倉庫だった。
「降りるぞ」
「え、用事ってここ?」
「ん」
何か考えるようにして、彼女が車を降りる。
事前に連絡してあったから、もちろん今日俺が汐乃を連れてくることは了承済みだ。
「麗さん、こんちは……っ!」
「汐乃さんも……!
相変わらずお似合いですね」
ほほ笑んで言われた言葉に、一瞬戸惑ったような顔をして、汐乃が「ありがとう」と笑ってみせる。
……と。
「麗ー、シオー。待ちくたびれたよ?」