【完】復讐の元姫
奥から、あからさまに不機嫌な声がして、小さくため息をつく。
「悪かったな。実家寄ってから来た」
「実家ってすぐ近くじゃん……」
淡々と話す俺らの会話に、「なんでみんなが?」という顔をする汐乃。
「俺が頼んで来てもらった」
「奈々もいるよーっ」
ひょこっと、奈々が顔を覗かせる。
いまでは汐乃と奈々の仲は良好だ。
ほかの奴らともな。
「つーか、麗。何も言わずに呼ぶってなんだよ。要件言えよ」
「言ったらお前ら口滑らしそうだからな」
「僕らの信頼って……」
「んで~?要件なんだったんだよ~」
時雨が相変わらずゆるい口調で尋ねてくる。
「……とりあえず、汐乃。
お前は奈々とひさしぶりに倉庫見てきていいぞ」