【完】復讐の元姫
「なに?」
「汐乃のことは、悪いけど渡せねぇから。ほかに良い女探せよ」
ふっと、口角を上げて。
呆気に取られる幹部をその場に放置し、汐乃の元に向かう。
「汐乃」
「麗……」
笑顔を浮かべる汐乃を見て、あのとき。
手離したにも関わらず、彼女が戻ってきてくれたのかと思うと、もう愛おしいだけじゃ言い表せない。
「やっぱり、世界で一番愛してる。
──俺だけの、姫」
なにそれ、と言いつつ彼女は笑って俺に抱きついた。
俺だけの姫。
龍錬花の姫。
いつか、彼女は。
「じゃあ、麗は私だけの王子さまね」
──伝説の、姫へ。
【Happy END!】