【完】復讐の元姫
だから、言えなかった。
タイムリミットは、明日だっていうのに。
「雅は、何かを勘違いしてるんじゃない?」
「………」
「あのね、雅。
男の子が、自分の好きな子を守ってあげたいと思うのは、決して間違いじゃないわよ」
でもね、と。
続けられた言葉に、小さく息を吐いた。
「女の子は、そう弱くないわ。
ましてや、自分の好きな相手のためなら、ちょっとぐらい無理できるの」
「……そういうものか?」
「うん、そういうものよ。
それに、裏切りが間違いだってこともあるでしょう?」
それの証拠を、見つけたから。
だから俺らは、困ってんだけどな。