【完】復讐の元姫
──すき、と言おうとしたのに。
「……いや、やっぱ好きって言ってもイタズラする」
「え」
「だって、明日休み取れたからな。
おかげで今日遅くなったけど、問題ねぇよ」
「……待っ、まさかプレゼントもこのために用意しただけ!?」
「人聞き悪い事言うな。
プレゼントは本当にプレゼントだ。でも、お互いに満たされるんだから問題ないだろ」
問題大アリだから……っ!
というか、もう日が変わってるから、ハロウィン終わったんですけど!
そう叫びたくなったけれど、先に唇をふさがれて、それは叶わない。
「朝までじっくりイタズラしてやるから、覚悟しとけ」
──そして、その翌朝。
身体のだるさに、何度も心が折れそうになりながら。
千夜ちゃんと雅を見送ったあと、休みをフル活用して呑気に眠っていた麗に文句を言ったのは、当然の結果と言える。
「まともなハロウィンじゃなかったな」
「ほんとにロクなハロウィンじゃなかったわよ。
んー、〝お菓子をくれなきゃイタズラするぞ〟を私たち風に言いかえると……そうね」
──〝愛してるって言ってくれるから、ずっとそばにいる〟かしらね。
Fin.
(Happy Halloween!!!)