【完】復讐の元姫
:さて、リベンジを。(Ver.2017)
「おかえりなさい〜!」
──10月31日、ハロウィン。南家。
オレンジ、紫、黒……と。
この頃街でよく見かけるカラーで彩られた家の中。
出迎えた千夜ちゃんはにこにことご機嫌だ。
それに小さく笑って、私も「おかえりなさい」とふたりのことを迎える。
「ただいま、汐乃」
「ただいま」
雅は学校のことが落ち着いてくると、麗に仕事を教えてもらう機会が増えてきて。
今日も学校帰りに立ち寄っていた様だから、一緒に帰宅。
でもこのふたり、仕事になるとすぐ喧嘩するのよね……
仲が良いから、普段もぐだぐだと言い合ってたりするけど。
仕事になるとお互いにプロになってしまうから、何を言っても聞いてはくれない。
……まあ、それほど優秀ってことなんだけど。
なんてぼーっと考えていたら。
「トリックオアトリート!!」
雅に駆け寄ってお菓子のおねだりをしている千代ちゃん。
去年はみんな忙しくて祝えなかったから、約2年ぶりのハロウィン。そして一昨年のハロウィンは、たしか。
「ん」
「……えっ」