【完】復讐の元姫

「………」



「ダメかな、シオちゃん」



奈々は私の腕を掴んで離さない。



……きっと。



これを拒んだって、彼等は。



奈々の命令で、動くはず。



どれだけ泣きたくなったって、彼らにとって私の感情なんてあってもなくてもどうでもいい。



「……ううん、ごめん。

私もちょっと、疲れてただけだから」



冷たくしてごめんね、と奈々に謝る。




「ううんっ、奈々は大丈夫だよ」



「……奈々が嫌じゃないなら、行っても良い？」



初めから選択肢なんて、無いようなものだ。



「うんっ、もちろん」



もう、復讐出来るならなんでもいいや。



たとえ、私が彼等にどれだけ恨まれていたんだとしても。



「ありがと、奈々」