【完】復讐の元姫
時雨は、面白いことが好きだから。
私が彼等に復讐出来るのか、確かめてるだけなんだろう。
一応、協力してもらうからには動いてもらうけど。
そんなことを考えていた、私は。
「ねえ、俺思うんだけど」
「うん?」
「……今更、だけどね。
シオが姫の時の方が、楽しかったなって」
「……さっきあんな風に言っちゃったけど、僕もそう思う」
「正直今は、あの子に従ってるだけみたいなもんだから、ね」
「でもまぁ、アイツは」
「俺、このままじゃ何も楽しくないからさ。
しばらく、シオのこと様子見ようかと思うんだけど」
“どうかな?”
後ろにいる彼等が、そんな話をしていたことなんて。
「麗は絶対、私のものだよ」
──知るよしも、なかった。