【完】復讐の元姫
「そうだね、シオちゃんに教えてもらおうかなっ」
そう言った奈々に、「別に良いよ」と答えて。
「シオって、今日何時ぐらいまで居られる?」
「……お父様が帰るまでだから、日が変わる前ぐらいまではウロウロするつもりだけど」
「じゃあさ、シオと奈々ちゃんに今日は晩ご飯作ってもらおうか?」
沙和が振り向いてみんなに尋ねる。
……え。
いや、別にいいけど。
「別に俺はどっちでもいい」
そう言ったのは、意外にも凌で。
「僕、ひさしぶりにシオちゃんの手料理食べたいなぁ」
さっきまで私を敵視していた梨緒も、なぜか賛成する。
「じゃあ、作ってもらおうじゃねーの」
最後に時雨がそう言えば、沙和は「よろしくね」と笑った。
……嫌になる。
彼等が私を許してくれてるみたいで。
そんなの、ありえないのにね。