【完】復讐の元姫



「ううっ、麗くん」



「……凌。あんまり梨緒をいじめてやんなよ」



むしろ、彼等は協力的だった。



掃除していたら散らばっていた自分の物は、自室へ持っていってくれたし。



「シオ、すごいよね」



「……何が?」



奈々ちゃんや梨緒たちが物を片付けるために自室に引き返したとき、沙和はそう言って私に話しかけてきた。




「いやぁ、俺等2年近くすごい仲悪かったじゃん」



「………」



「シオ見てたら、自分の考えてたことがくだらないなって思ってきちゃったよ」



「くだらない、って」



「シオはさ、やっぱりシオだよね」



その意味が、はっきりと理解出来なくて。



困惑する私に沙和はくすっと笑ったかと思うと、私の頭を撫でてから席についた。



……なんなん、だろう。



本当にここにいるのが許されてるような気になってくる。



< 54 / 392 >

この作品をシェア

pagetop