【完】復讐の元姫
「シオちゃん、どこ行くの?」
現、龍錬花姫。
碓井 奈々(ウスイ ナナ)。
私が彼等から離れてすぐ、彼女が姫になったから。
麗は私のこと、どうでもよかったんだと思う。
「………」
口を開かない私を見て、時雨はふっと笑った。
そして私の手と自分の手を繋いで指を絡めると、それを軽く持ち上げた。
「学校サボって、デートすんの」
「は?お前、」
凌が私を見て、訝しげに眉間を寄せた。
仕方ない。
彼は私を嫌ってる。
私は裏切り者、だから。
「俺が誰とデートしようが関係ないだろ~?
行きますよ~、シオちゃん」