【完】復讐の元姫



幹部があまり、下に行くこともなくなって。



笑顔が消えていってる。



下っ端も幹部も、今みたいに笑うことは滅多になかった。



「……やっぱり、シオが良いんじゃねぇの」



裏切った、と言う割には。



アイツに、姫を求めてるんだからな。



俺は、正直な話。



今でもシオが裏切ったとは思ってねぇし、むしろ……。




「何してんの~?奈々ちゃん?」



幹部室に引き返せば、奈々は顔を上げて。



「何、が?」



「お前だけココで閉じこもってるから、何してんのかと思ってよ~」



どうしても。



「別に閉じこもってないよ。みんなが出ていっちゃっただけだし、」



俺はコイツを、好きになれない。



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