【完】復讐の元姫



時雨のゆるい口調に救われた私は、そのまま彼等を無視して足を進める。



奈々だけは、「いってらっしゃーい」と笑っていたけど。



「ついてないねぇ」



時雨のそんな言葉に、顔を上げれば。



「時雨、今から授業だよ?」



「そうだよー。どっか行くなら、お休みの日にすればぁ?」



龍錬花の副総長──野々原 沙和(ノノハラ サワ)。



そして最後の幹部──清水 梨緒(シミズ リオ)。



梨緒は可愛い顔をしてるくせに根っからの女嫌いだ。




だからこそ、裏切った私のことは大嫌いなはず。



沙和には、高校の行事で必要最低限話さなければいけないときだけ話しかけられるような関係。



でもまぁ、普通に考えて彼も私のことが嫌いなはずだ。



沙和と梨緒は、時雨と同じクラスで。



彼等も、今さっきの3人と屋上から戻って来たところなんだろう。



……なんだ。



今日は時雨の言う通り、ついてない気がする。



< 7 / 392 >

この作品をシェア

pagetop