【完】復讐の元姫
避けなくていいって。
傍にいていいって。
そんな優しいこと、言ってくれるから。
「俺は、お前のこと裏切ったなんて思ってない」
「っ、」
「安心しろ。今でもお前は仲間だ」
欲しい言葉を、くれるから。
「麗、あのね」
私。
「今でもみんなのこと、大好き」
「…ああ」
「麗のことも、大好きなの」
私に近づく不穏な影になんて。
「ああ。俺もお前のこと、大切だから」
──気付くはずもなかった。