【完】復讐の元姫
BLACK*3
:季節外れの転校生
──月曜日。
帰ったあと、散々ハルトにお説教された私は。
「お嬢様。もうお嬢様が傷つくようなら、私は龍錬花と関わることをオススメ出来ません」
「大丈夫。もう、避けなくていいって言われたの」
学校に向かう車の中で、ハルトと言い合っていた。
今更だが彼は、私──南 汐乃に使える忠誠な執事であるため、私が自ら従わない限り、彼の命令に従う必要はない。
「……それなら、いいですけど」
渋々頷いた彼が、「もし」と付け加える。
「もし、あなたがまた泣くような目に遭うなら。
徹底的に龍錬花と関わらないようにしていただきますので」
「……うん」
大丈夫だよ、と微笑む。
「……到着致しました」
彼が開けてくれた車の扉。
「ありがとう」と言って車を降りれば、彼は「いってらっしゃいませ」と私にカバンを手渡した。
「帰りはご連絡くださいね」