【完】復讐の元姫
凌の苦しそうな表情に、気づくわけもなく。
「あー、悪いな南!遅くなった」
「大丈夫ですけど、何かありました?」
「ああ、今日転校生が来てな」
転校生?
「……この時期に?」
高校3年の、11月。
普通に進路で忙しいこんな時期に?
「南はしっかりしてるから、案内してくれたらどうかと思ってな」
お前なら勉強しなくても、成績良いし……って。
ひどくないですか。
「……別に良いですよ」
でも、頼まれたなら仕方ない。
「ああ、勢多は付き添わなくていいからな」
「は?」
「お前は成績がやばいから、勉強しろ」