【完】復讐の元姫
「わかりました」
面倒だから、頷いておく。
「じゃあ、よろしくな。
ああ、クラスの席は何かあったら聞けるよう南の隣にしてあるから」
そう言った担任に「了解です」と返事して。
「沙和、どこから回る?」
「とりあえず、普段授業で使ったりする教室とかの方が良いよね」
「そうね」
柴崎くん、私、沙和の順で廊下を歩く。
「まずは自己紹介しておこうか。
私は南汐乃。よろしくね」
「俺は野々原沙和だよ。
シオとはクラス違うけど、俺もたまに遊びに行ってるから」
よろしくね、と言った沙和に柴崎くんはニコニコとして。
「僕は柴崎徹だよー。
徹って呼んで?」
よろしくー、と言った彼は意外にも話しやすくて。
「大変だね。
受験の時期に転校ってなると、志望校も変わってくるわけだし」