【完】復讐の元姫
「そうなんだよー。
高校受験の時にも、転校なったし」
転勤族だから仕方ない、と言う彼。
学校を大体回り終える頃には、私たちは随分話しこんでいた。
「これぐらいで一通り回れたけど、どうしよっか」
1限が終わる頃、沙和が口を開く。
「みんなは授業受けてると思う?」
「ううん、サボってると思う」
ふふ、と沙和は笑って。
「じゃあ、徹を送り届けたら俺等は屋上行こうか?」
「そうね」
「ん?屋上?」
「……あ、言ってなかったか。
俺、龍錬花の幹部なんだよね。で、シオが、」
一瞬。
彼は何て言うのか悩んだんだと思う。