【完】復讐の元姫
「私、元々龍錬花の姫なの。
あ、龍錬花っていうのは関東を仕切ってる暴走族だって思ってもらえたらいいんだけど」
「聞いたことあるよ。
それでふたりは仲良かったんだ」
納得、と言った彼。
「で、屋上は龍錬花の幹部が入れる場所だからさ。
悪いけど徹は連れていけないんだよね」
「別にいいよー。
汐乃、教科書だけ借りて良いー?」
「あ、うん。
机にかかってるカバンに入ってるから、勝手に使って?」
「え、シオ。勝手に開けちゃだめでしょ」
「大丈夫。スマホも財布も持ってるし」
必要なモノは持ってるから、困らないし。
「ここがクラス。シオ、待ってるから席案内してあげて」
「はーい」
ちょうど1限と2限の間にある休憩だったらしい。
彼が中に入れば、ざわざわと教室がざわめくけど。
次の授業は担任の授業だから、説明してくれるだろう。