【完】復讐の元姫
「これ、私のカバンね」
「ありがと~!」
「どういたしまして」
じゃあ、と教室の外へ出る。
……電話中?
沙和はスマホを耳に当てて、何かを話していて。
話しかけるのは、少し躊躇われる。
「うん、今から戻るから」
私を手招きしたかと思えば、沙和は私にスマホを渡してきて。
「時雨が変われって」
「……時雨だったんだ」
電話を変われば、向こうから声が聞こえた。
『シオちゃん~、男ばっかりだから早く戻ってきてちょうだいな~』
「、奈々は?」
『奈々はねぇ、体調悪くて保健室にいるんだよ~』
「そうなんだ」