【完】復讐の元姫
:思いの行方
【side凌駕】
はぁ、と。
ひとり教室へ引き返しながら、ため息をつく。
バカ、だ。
アイツが俺等とまた関わるようになったからって、戻ってきたわけじゃない。
ましてや戻ってきたとしても、アイツは元々俺の女でもなんでもない。
それなのに。
自分の気持ちが溢れそうになってる。
今更言ったって仕方ないのに。
今でも、ずっと。
あの時の言葉が、頭から離れて消えてくれない。
『どうして自分のこと、嫌いだっていうの?』
俺が、小学生を卒業する少し前。
俺は、母親に捨てられた。
今では父親とふたり暮らしだ。
別に、哀しいわけじゃない。