花のような笑顔
華『お父さん、お母さん、本当にありがとう。私の大切な人はね、たくさん愛してくれるんだ。だから、お父さんもお母さんももう心配しなくて大丈夫だからね?』


そう出来る限りの笑顔を浮かべてそう言うと二人は嬉しそうな顔をした。


母『そう言ってくれて安心したわ。華、あなたを必要としてくれている人はたくさんいるわ。これからも色んなことがあると思うけど、きっとあなたならどんなことも乗り越えられるわ。』


父『負けずに頑張りなさい。華。俺たちはずっと応援しているよ。そろそろ時間だ。華、目覚めたいと言う気持ちを強く持った時、華が今一番会いたい人に会えるよ。元気でな?華、幸せになってくれ。』


そう言ってお父さんとお母さんは消えていった。

二人が消える前に驚いたようなそれでいて自分のことのように嬉しそうな顔をしたのは、きっと私が笑っていたから。


二人が死んでからできなかった、お母さんが大好きだと言ってくれていたあの笑顔を見せることができたからだと思う。


ねぇ、狼、私笑えるようになったよ?

早くあなたにも見せたいな。

早く会いたいな。大切なあなたに。

そう思った瞬間光に包まれた。
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