花のような笑顔

〜 華 side 〜

何なのだろうこの光景は。

多分、咲子であろう女が狼と腕を組んで歩いてる場面に遭遇してしまった。


今日は狼が仕事だということで、でもせっかくの休みだからと駿さんと潤さんに付き添ってもらって買い物でも行ってきたらどうだと、狼が言うので買い物に来た。


近くにあるショッピングモールに行きたい旨を二人に伝えると少し困った顔をしたが、すぐに笑顔に戻り、ショッピングモールまで連れてきてくれた。

あの二人が困った顔をしたのは、この二人がここにいることを知っていたからか。


駿『華さん、あれは…』


焦った声をして何か言おうとしたがそれに被せるように私が話した。


華『大丈夫です。仕事ですよね。分かってます。』


そう言った私の顔はどんな顔だったのか。
多分"無"の表情だったのだと思う。