花のような笑顔
〜 華 side 〜

あの光景を見た時、心臓が止まるかと思った。
裏切られた…そう思ってしまう自分がいた。
信じているから、信じていたから、自分で思ってるよりもずっとショックを感じていたんだと思う。

帰ってきてすぐにベッドに潜った。


それから何時間たったかわからない。
寝室のドアが開く音がして慌てて寝たフリをした。


狼が優しく頭を撫でて謝ってくる。
それはなんのごめん?
待つっていつまで待てばいい?
本当に私のこと好きなの?


聞きたいことはたくさんあったけど、今更起きることもできなくて寝たふりを続けた。

しばらくして狼の寝息が聞こえてきた。


華『狼、信じていたんだよ。でも信じていいのか今は分からないよ。』


狼の頭を撫でながらそんなことを呟いた。


しばらく頭を撫でていると狼がうなされはじめた。

あまりに苦しそうな顔をするので声をかけた。
< 216 / 240 >

この作品をシェア

pagetop