キラキラ〜不良な君に恋してる〜
どうして、葵くんとは仲良くなれたと思ったら離れてしまうんだろう。
せっかくまた仲良くなれるかもって…。
「千世子…」
「…ごめんね。心配かけて。でも、本当に大丈夫だから」
私は友恵にそう言って笑う。
友恵を責めるなんてできない。
友恵は、私を心配してくれただけなんだから。
「…千世子、ごめん。でも、私…」
「うん。わかってるよ」
私だって、本当の葵くんを知る前は、そうだったから。
見た目や噂に惑わされ、ただ怖いだけの人だと思ってた。
葵くんの周りの人も、皆同じに見えた。
だから、友恵が悪いなんてそんなこと言えない。
「大丈夫だから、行こう」
「…う、ん…」
友恵は、どこか居心地悪そうに目を泳がせると、歩き出した私について歩き出した。
うまくいかないことばかりだ。
今まで、こんな風に悩んだことなんてなかったから、どうしたらいいのかわからない。
どれだけ、平凡な場所で生きていたんだろう。
それはそれで幸せだったのかもしれないと思う。
でも、私は、出会ってしまったから。
関わってしまったから。
少しでも、近づきたいと思ってしまったから。