キラキラ〜不良な君に恋してる〜
着替え終えてカーテンを開けると、藤堂くんはどこかに電話をしていた。
堂々と、校内で携帯を使う…さすが、不良さんだ。
「…じゃあそういうこったから。じゃあな」
私が出てきたことを察すると電話を切る。
私は体操着が入っていた袋に畳んだ制服を押し込んだ。
その時、チャイムが鳴り響いた。
いけない。
授業が始まってしまう。
「なにしてんの」
「え?あ、あの…授業が…」
「は?その格好で出るつもり?」
「え…あの…」
その格好もなにも、制服は汚れてしまったのだから、仕方のないことだと思うのだけど。
藤堂くんは、何かが違うらしい。
「サボれば」
「えっ、そんな、授業はちゃんと聞いておかないと…」
「真面目だな」
「真面目とか、そう言う問題ではなく…常識で…」
「常識ねー」
そう言ってしまった、と思った。
藤堂くんは、その授業をよくサボっているのだ。
それは、藤堂くんが常識がないと言ってしまっているようなものだった。
ああ、私は大ばか者です。