キラキラ〜不良な君に恋してる〜
駅まで一緒に帰る途中、細い路地を通る。
たまに、不良がうろついていることもあって、普段は遠回りをして帰ることもある。
でも、今日は葵くんがいるから気にせずにそこを通っていた。
「洸くんも梨奈ちゃんも、なんだか楽しそうだったね」
「面白がってんだよ、あいつは」
私は葵くんと、昼間の事を話していた。
その時、路地の向こうに不良の軍団がたまっているのが見えた。
「二人とも、葵くんの事大好きなんだね」
私は気にしないように、そう言って話を続けた。
でも、その不良たちがこちらを見ながら立ち上がるのが横目に見える。
「おい、金髪の兄ちゃん、なにがん飛ばしてくれてんだよ」
「…別に。いこ、千世子」
「うん…」
「なに、彼女の前でかっこつけたいの?ああ?」
因縁をつけてくる不良たち。
私は怖くなる。
そんな私を安心させるように、葵くんが私を庇うように前に出る。
「おいおい、なんだよ。無視かよ。あ?ね、彼女」
「えっ」
一人の男が私の肩を抱く。
それを見た葵くんは男を睨みつけた。
「千世子に触るな!」