キラキラ〜不良な君に恋してる〜



駅まで一緒に帰る途中、細い路地を通る。
たまに、不良がうろついていることもあって、普段は遠回りをして帰ることもある。

でも、今日は葵くんがいるから気にせずにそこを通っていた。





「洸くんも梨奈ちゃんも、なんだか楽しそうだったね」

「面白がってんだよ、あいつは」



私は葵くんと、昼間の事を話していた。
その時、路地の向こうに不良の軍団がたまっているのが見えた。




「二人とも、葵くんの事大好きなんだね」



私は気にしないように、そう言って話を続けた。
でも、その不良たちがこちらを見ながら立ち上がるのが横目に見える。





「おい、金髪の兄ちゃん、なにがん飛ばしてくれてんだよ」

「…別に。いこ、千世子」

「うん…」

「なに、彼女の前でかっこつけたいの?ああ?」




因縁をつけてくる不良たち。
私は怖くなる。
そんな私を安心させるように、葵くんが私を庇うように前に出る。


「おいおい、なんだよ。無視かよ。あ?ね、彼女」

「えっ」




一人の男が私の肩を抱く。
それを見た葵くんは男を睨みつけた。



「千世子に触るな!」





< 207 / 275 >

この作品をシェア

pagetop