キラキラ〜不良な君に恋してる〜



「あーもう、めんどくせぇ!さっさと行くぞ」

「えっ、ちょっと…あの…」




私の意見なんてお構いなしに立ち上がる藤堂くんに慌ててついて行く。
ああ、これでいいのだろうか…。



藤堂くんは、ずんずん先を進む。
私は追いつくのに精いっぱい。
というか、どうして私こんなに必死について行ってるんだろう…。




だけど、刃向うのも怖くてなにも言えずついて行く。




“誰がこんな”
その言葉が頭をこだまする。


うん。
そうだよね。
藤堂くんの周りには、かわいい女の子もきれいな女の人もたくさんいるんだろう。
私みたいな地味でとりえのない女なんて、興味がないんだろう。






そしてついたのは、少し古いアパート。
…なんだか、意外だ。
いや、意外と思えるほど、藤堂くんの事を知らないのだけれど。






「なにしてる、置いてくぞ」

「あ、はい」





ぼやーっとアパートを見上げていると藤堂くんが振り向いてそう言った。
私は慌てて追いかける。
不良さんのアパートにお邪魔する優等生、うん、なんだか不思議な状況だ。





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