キラキラ〜不良な君に恋してる〜
「ここまで来てなに言ってんだよ」
「う…そうなんですけど…」
いや、断りきれずに怖くてついてきたんです、なんて言えない。
でも、ここに来たところで断りきれそうにもないのだ。
意を決して入るしかないんだろう。
「別に、とって食ったりしねぇよ」
「!!」
「それともなに?期待してる?」
ズイッと体を寄せて妖しい微笑で言う。
近づいた距離にドキドキしてしまう。
きっと、彼はこの反応を楽しんでいるに違いない。
「入ってきます!」
私は藤堂くんをすり抜けお風呂場に逃げ込む。
心臓に悪い…。
やっぱり、ああいう人は苦手だ。
私とは住む世界が違う。
それをひしひしと感じてしまうのだ。
きっちり扉を閉め、服を脱ぐ。
この扉の向こう、同じ家のスペースの中に男の人がいる。
その状況に私は落ち着かずにいる。
でも確かに、シャワーが浴びれたことはありがたい。
あのまま家に帰ったとして、お母さんにいろいろ追及されるのは目に見えているし。
説明して、わかってもらえるかと言ったら、答えは否だろう。