キラキラ〜不良な君に恋してる〜



特別教育熱心なわけではないが、授業は真面目に出ることが常識だと私の認識ができるほどの熱心さはある。
そして、自分がこうだと思ったら、いくら他人がそうじゃなくてこうなのだと弁明したところで受け入れられない頑固さを持っている。



だから、私がいくら頭からそばをかぶったからといっても、授業をさぼること自体が悪だと“理由”は関係なく責められるだろう。
だからこそ、はじめ私は授業に出るつもりでいたんだ。
それが私にとっての普通だったから。

まぁ、簡単に藤堂くんに覆されてしまったのだけれど。





シャワーでそばの臭いも、嫌な考えもすべて洗い流す。




そう考えると、藤堂くんは自由だ。
好きに授業に出て、好きにサボっているんだから。
ご両親はなにも言わないのだろうか。

そもそも、高校生で一人暮らしをしている時点で、自由な家庭なのだろうか。





そんな藤堂くんの家庭事情まで考える必要なんてないのだけれど。
きっと、藤堂くんとは今日だけの関係なのだから。


私がぶつかってしまったから。
ただ、それだけの、お礼を込めた関係。
それが終われば、今まで通り無関係の日々に戻る。



藤堂くんは、私がクラスにいることも別に気にもしなくて。
私は、そんな藤堂くんをただのクラスメイトとして普通に過ごす。



そう、私と藤堂くんは、交わることのない関係。





そんな二人に戻るだけ。







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