キラキラ〜不良な君に恋してる〜



「先って、うちら会ったの三回目」

「俺、前から梨奈ちゃんの事知ってたから」


また、わからないことを言う。



洋介が笑いながら話してくれた。
半年くらい前、あたしが学校をさぼってコンビニで珍しく一人でボーッとしていた時、ちょうど洋介も有給で休みを取っていてそのコンビニに来ていたんだそうだ。




初めは、またギャルか、なんて怪訝そうに見ていた。
下品でガサツそうなギャルが苦手だったから。


必要な物を買って外に出ると、そのギャルが子猫相手に騒いでいた。


「ちょい、甘えられてもダメだって、あたしあんた飼えないって…。あーもう、猫ってコーヒー牛乳飲めんの?…無理か」



そう言って困っていたかと思うと突然コンビニに駆け込み、おにぎりを片手に出てきた。



「米のとこなら食えるか?…ほら、…あーもう、どうすんだよ、財布の中空っぽになったじゃん今月、小遣いピンチなのにさー」




猫にそんなことを愚痴ったところでなんになるんだろう。
そう思ったらつい笑えてきた。
飼えもしないのに餌をやるのはどうかとか、猫に人間の食べ物はどうなのか、って本当は突っ込みどころ満載なんだろうけど、なんか、ギャルへの見方が変わった。

君は、他のギャルとは少し違うのかも、ってね。



それから、時々コンビニで君を見かけることがたびたびあって、その度につい視線で追う自分がいた。

そしてあの時、あまりに豪快にコーヒー牛乳を飲んでいた君に思わず声をかけてた。




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