キラキラ〜不良な君に恋してる〜
もう、あの人の話題だって聞きたくないのに。
彼といると、私一人がテンパってバカみたいだ。
「おはよー」
「友恵っ」
教室で迎えてくれた友恵に思わず抱きつく。
普段しないこんなことをする時点で、私の日常は崩れつつあるのだと、気づく。
ああ、神様。
どうか時間をおとといに戻して。
「どうしたのさ、いったい」
「物語の主人公になりたい気分」
できればファンタジーものの。
時間を操れる類のもの。
それか、こんな状況をうまく立ち回れる所謂リア充が出てくる青春もの。
「え、なに、頭でも打った?」
頭でも打った方がましだったかもしれない。
ああ、もう嫌。
「友恵、私たち友だちだよね」
「え、なに言ってんの?当たり前でしょ?」
どうか、友恵だけは変わらないで。
なんて、ただ一日あのグループの一人と関わっただけで大げさな。
でも、私にとってはとても大きな出来事だったの。