キラキラ〜不良な君に恋してる〜





雨。
少し、図書館で寄り道をして、そこで見つけてしまった興味をそそられる本に少しと思いつつ没頭してしまっていたら。

ああ、失敗した。

天気予報では曇りだったのに。



雨は嫌いだ。
傘をさすのが邪魔くさくて。


置き傘をしていた傘を傘立てからとり、雨と屋根の境目に立って傘を広げる。
傘に雨が当たり、パラパラと音を立てる。


この音は、嫌いじゃない。





駅までは歩いて15分ほど。
それまでの辛抱。





さて、帰ろう。
そうして一歩踏み出そうとした時、右隅に人の影を見つけた。
こんなところに人?



ああ、人はいてもおかしくはないのだけど、おかしいのはその人が座り込んでいるということ。




学校の入り口である靴箱の前で座り込む人はまずいない。
誰かを待っているなら別だけれど…。





少し気になり振り向くと、目に飛び込んできたのは金髪の髪。
すぐに、藤堂くんだとわかる。



なぜ、彼がこんなところに…。
ああ、今日はついていない。




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