キラキラ〜不良な君に恋してる〜
「ちょ、ちょっと、千世子っ‼︎」
次の日登校した私の元に慌てた様子の友恵が駆けつけた。
いつもと様子が違う友恵に首を傾げた。
「どうしたの?」
「あ、あ、あんた!あの、藤堂くんと付き合ってるの!?」
「……えっ?」
友恵の口から発せられたのは耳を疑う言葉。
付き合ってる?
誰と誰が?
「ど、どうしてそんな……」
「昨日、雨の中一つの傘に入って帰ってたって噂だよ」
「そ、そんな……」
昨日のあの場面を見ていた人がいたんだ……。
なら、藤堂くんのこと傘に入れてあげればよかったのに。
「違うよ、傘忘れたって言ってたから入れてあげてただけだよ」
「え、そうなの…?でも、肩抱き寄せていい雰囲気だったって」
「ち、違うって!私が雨に濡れそうだったからで…いい雰囲気なんかじゃなかったよ」
慌てて否定する。
噂の恐ろしさを知った。
自分の知らないところで見られていて、それをいろんな人に知られている。
それも、いろんな脚色をされて。
私も、藤堂くんたちの噂に振り回されて、そんな人たちなんだと決めつけてた。
それが、こんなにも辛いことなんて……。
今更ようやくわかった。